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同じ障害 感動くれた京アニ 手話での交流描いた「聲の形」…(中日新聞さん2019.8.21夕刊)

中日新聞さん夕刊2019年8月21日水曜

同じ障害 感動くれた京アニ

(上)京都アニメーションの作品「聲の形
(下)車いすで献花台を訪れ、手を合わせる鎌田リリアさん=20日京都市伏見区

手話での交流描いた「聲の形
ファンの20歳 献花台で祈り

 「手話でしゃべるシーンをとても細かく描いていてすごい」。自分と同じ耳の不自由な少女と主人公との交流を描いた「映画 聲(こえ)の形」をきっかけに、京都アニメーションのファンになった聴覚障害の女性がいる。放火殺人事件の被害者のため、献花台で「頑張って」と祈りをささげた。
 二十日に車いすで現場の第一スタジオ近くの献花台を訪れたのは、脳性まひで聴覚と歩行に障害がある京都市の鎌田リリアさん(二十)。京アニとの出会いは約三年前で、聴覚支援学校に通っていた頃に見た「聲の形」に夢中になった。好きなキャラクターは「私と同じ耳の聞こえない少女」。主人公の少年が覚えたばかりの手話を使い、少女に「友達になれるかな」と伝える場面に感動した。楽しく手話で会話するシーンが気に入っているという。
 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」など、他の作品も見るように。鎌田さん自身も絵を描くのが好きで、一緒に献花台を訪れた母スザーンさん(五三)=徳島県藍住町=は「アニメは娘に良い影響を与えてくれた。将来、アニメ関係の仕事に就いてもらいたい」と話す。
 聴覚や言語に障害のある人を支援する京都市内の施設で、自立を目指している鎌田さん。事件を知って衝撃を受け、帰省先の徳島から電車とバスを乗り継いで来た。「生き残った人も、事件を乗り越えるまで大変だと思う」。献花台でそっと花を手向け、「頑張ってください」と心の中で祈った。